顎関節症は何科を受診すべき?「歯科」で受診するメリットと原因別の適切な治療法

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顎関節症は何科に行くべき?
知っておきたい受診先選びの
ポイント

顎関節症は何科に行くべき?知っておきたい受診先選びのポイント

患者さんからよく聞く言葉に「顎関節症って単語は良く耳にするけど、どこで診てもらえば良いかわからない。」というものがあります。

私は顎関節とかみ合わせの治療をメインとする、歯医者としては珍しい方の人間で毎日顎関節症の患者さんやかみ合わせに不具合がある方を診させていただいております。しかし、そんな私でも患者さんに「歯医者さんで顎関節症を診てもらえると思いませんでした。」「前に歯医者さんに相談した時には歯ぎしり・食いしばりをしすぎないようにと注意されるだけだったので、歯医者さんで診てもらうものだとは思いませんでした。」「前から顎関節症というのは自覚していましたが、治療が必要なもの(治療方法があるもの)だと思いませんでした。」などといったお言葉をいただくことがあります。

実際に何科を受診するべき?

答えは「歯科」です。歯科医院と聞けば歯の病院ですので、顎関節に関係がないと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、顎関節は歯科の領域となっております。しかしながら、一言に顎関節症といっても症状が様々あります。

大まかにいうと、

  • 顎を動かす筋肉に問題がある、いわゆる筋肉痛のような状態
  • 顎の関節にある靭帯に問題があるいわゆる捻挫のような状態
  • 顎の関節にあるクッションの組織に問題がある状態
  • 顎の骨自体が変形してしまっている、骨に問題がある状態
  • その他、他の原因で顎関節に問題が生じている状態

といった状態やそれぞれの症状にわかれます。その中で外科的な処置が必要な場合もありますので、その際は「口腔外科」を受診すべきです。しかし、外科的な処置が必要な場合まで進行しているケースはかなり重度となりますので、まずは「歯科」を受診することをおすすめします。

特に、顎関節の分野に明るい先生が在籍している歯科医院を選ぶことが大事になってきます。よって、歯科医院のウェブサイトやページを参照して調べてから受診することが重要です。

顎関節症との合併症について

また、顎関節症との合併症がある場合があります。その合併症の中で特に多い症状は「耳鳴り・耳閉感」です。耳閉感というのは耳に水が入ったような感じ、耳の中に膜が張ったような感じ、耳が塞がったような感じといったような自分の声がこもったように耳の中で響くという感覚がある状態です。

顎関節症の約60%の患者さんが自覚しているというデータもあるくらいにメジャーな訴えになっています。

しかしながら、耳閉感の裏には難聴や中耳炎やメニエール病や耳垢の詰まりなどがあり、症状が発現する場合がありますので、その際にはまず受診すべき科に「耳鼻科」が挙げられます。受診後、耳に器質的な問題はなく耳に疾患がない。しかしながら症状はある、という場合には顎関節症の治療を受けることで症状が寛解する場合があります。

よって、日常生活に支障をきたすくらいに「耳鳴り・耳閉感」がある場合にはまず「耳鼻科」を受診することをおすすめします

症状によって異なる顎関節症の治療内容と術前検査の重要性

症状によって異なる顎関節症の治療内容と術前検査の重要性

次に、治療の流れについてですが、先述した状態

  • 顎を動かす筋肉に問題がある、いわゆる筋肉痛のような状態
  • 顎の関節にある靭帯に問題があるいわゆる捻挫のような状態
  • 顎の関節にあるクッションの組織に問題がある状態
  • 顎の骨自体が変形してしまっている、骨に問題がある状態
  • その他、他の原因で顎関節に問題が生じている状態

によって治療方法がそれぞれ変わってきます。

大まかにまとめていきますと、

  • 筋肉痛のような状態の場合には、筋肉の過緊張状態をやわらげたり緩みすぎている筋肉を強めたりする必要があります
  • 捻挫のような状態の際にはまずは安静化を図る必要があります
  • 顎関節のクッションの組織に問題があったり、顎の骨が変形してしまったりしている場合には顎の位置がずれてしまっている場合がありますので、その際は顎の安静化を図ったのちに獲得した新しい顎の位置でかみ合わせの治療が必要になる場合があります
  • 前述したように外科的な処置が必要となる場合もあります

以上のようにそれぞれの状態によって治療の流れが異なることから、一番大事なのは術前診査(術前検査)です。しっかりとした検査を受けて、顎関節がどのような状態になっていて、どのような症状が発現しているかを把握していくことが重要です。そののちに、それぞれの状態にあった治療を受けることをおすすめします。

まとめますと、顎関節に詳しい先生がいて検査をしっかりと行ってくれる「歯科」を、耳に症状が強く出ている場合には「耳鼻科」を受診すべきです。